ミル キク アソブ 星筐 プログラムノート

プロフィール

とうのたまみ(東野珠実)

笙演奏家・作曲家

国立音楽大学でヨーロッパ音楽の先端教育を受けつつ、アジア音楽の源流に惹かれ雅楽奏者の道へ。笙の呼吸を基に描き出す音楽、その音色の計り知れない魅力を科学や技術に照らし、いにしえの音を現代の創造に結びつけるとりくみを続けている。

笙奏者として、国立劇場、ウィーン楽友協会、カーネギーホールをはじめとする国内外の主要ホール公演に出演。雅楽古典や正倉院復元楽器、現代音楽の作曲・演奏を行う。
ソロ活動では、東大寺、泉涌寺、清水寺、明治神宮、白山比咩神社、鶴岡八幡宮、建長寺等日本を代表する寺社で奏楽。また、Yo-Yo MA、坂本龍一、今藤政太郎、梅若六郎、山下洋輔、田中泯らに招聘され、古代楽器からコンピュータまでを駆使して、ジャンルを越えた様々なプロジェクトに携わる。

伶楽舎(雅楽演奏団体)、神々楽伎座、現代邦楽作曲家連盟に所属。
令和三年度国立劇場雅楽声明専門委員会主査。

国立音楽大学作曲学科首席卒業・有馬賞。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修了・義塾長賞。ISCM(International Society of Contemporary Music)、ICMC(International Computer Music Conference)、国立劇場作曲コンクール第一位、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞、日本文化芸術奨励賞等国内外にて入賞・受賞。
“星筐の会”、”Breathing Media Arts”、“From the Eurasian Edge”を主宰。

■代表作
雅楽のための『星筺(ほしがたみ)』、国立劇場委嘱『月香楽』、JAXA宇宙文化プロジェクト『飛天』、東京国際フォーラム開館記念創作ミュージカル『モモ』、雅楽童話『ききみみずきん』、正倉院復元楽器のための『鳥獣戯楽』、石川県白山市立白嶺小中学校校歌『水と光と大地』、浄土真宗本願寺派伝灯奉告法要音楽創作、国立劇場委嘱雅楽・歌舞伎・文楽による『変化と人間と-羽衣伝説-』等。

■録音
『祝賀の雅楽』、『陰陽師』、『芝 祐靖の音楽』、『Breathing Media ~調子~』雅楽古典曲笙調子全曲録音(坂本龍一プロデュース/平成23年度文化庁芸術祭参加作品)、John Cage『Two3,Two4』世界初全曲録音ほか。

伊勢友一

打楽器奏者

国立音楽大学打楽器専攻卒業。現在フリーランスの打楽器奏者としてクラシックから現代音楽、民族音楽、ポップス、演劇など様々なコンサート、レコーディングに参加。する他、メディアアート・モダンダンス・詩人・金属造形作家・日本画家(相撲絵)等とのコラボレーションにも積極的に取り組む。これまでに自主制作を含め4枚オリジナル打楽器アルバムを制作。

演奏活動の他に、打楽器音楽の作曲や子どもから大人まで幅広い世代への打楽器や合奏の指導、健常者から障がい者まで参加できるリズムワークショップ、ファミリー向けコンサート、全国の学校における音楽鑑賞教室等の企画や公演にも積極的に参加をしている。

ひがきともや(檜垣智也)

作曲家、アクースモニスト

愛知県立芸術大学大学院修了。博士(芸術工学、九州大学)。

アクースモニウムのための電子音楽を中心に、器楽・声楽作品、インスタレーション、映画音楽などを手掛ける。近作はサウンド・オペラ「石ノ巻ハ、ハジメテノ、紙ノ声、……」(詩人・吉増剛造、映画監督・七里圭との共同制作)。また国立視聴覚研究所音楽研究グループINA-GRM、Motus、Alcôme、Futura音楽祭(以上フランス)、ハーバード大学、ケルン大学、M.ar.e(イタリア)など世界中のアクースモニウムを演奏。手掛けた作品は400を超える。

第5回国際リュック・フェラーリ・コンクール最高賞(2003)、第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品(2014)、大阪文化祭奨励賞(2022)など受賞、入選多数。ボンクリ・フェス(東京芸術劇場)では初回から電子音楽の部屋の監修を担当。Musiques & Recherches国際空間演奏コンクール審査員。東海大学准教授、大阪芸術大学大学院客員教授。Futura音楽祭講師。

アクースモニウムについて

アクースモニウムとは「スピーカーのオーケストラ」の異名を持つスピーカーの集合体で、電子音楽を演奏する装置。1974年にフランスの作曲家フランソワ・ベールが発案した。会場のいたるところに設置されたスピーカーを合奏させることで、外界と壁で仕切られたホールという現実空間を音と想像力によって無限に拡張していく。

矢坂健司

プログラマー、エンジニア

慶應義塾大学環境情報学部、政策メディア研究科でコンピュータ音楽を専攻し、博士課程単位取得退学。ICMC’98にて”Experiment 6″入選。有限会社シネティクスの共同代表取締役としてWEBシステムのバックエンドプログラムの開発をしつつ、時々サウンドインスタレーションのシステムをMax/MSPで制作。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コースにて非常勤講師としてサウンド、デバイスアートを担当。

2001年 日本科学未来館「GEO-COSMOS」坂本龍一サウンドインスタレーション用音響制御プログラム、2002年 電通本社ビル36F 坂本龍一「windVibe」音響制御プログラム、2003年 hoon「CD Baby Love」楽曲参加、2007年 坂本龍一・高谷史郎「LIFE -fii」音響制御プログラム、2007年 坂本龍一・Alva Noto「utp_」音響制御プログラム、2013年 坂本龍一・高谷史郎「ForestSymphony」システム構築、テクニカルアドバイザ、2012年 坂本龍一・高谷史郎「collapsed」音響制御プログラム、2014年 ARTSAT「on-orbit」音響生成プログラム、2017年 坂本龍一・高谷史郎「IS YOUR TIME」テクニカルアドバイザ、2019年 東野珠美 星筐プロジェクト 音響生成プログラム。